坂本勇人

1988年の生まれの坂本勇人選手。いわゆる88年世代です。
田中将大選手、前田健太選手、柳田選手などが1988年生まれです。
今、脂が乗りに乗っている世代と言えるのではないでしょうか。
その中でも坂本選手は右打者として最年少で200本安打を記録するなど、目覚ましい活躍を続けています。
打撃成績に目が行きがちですが、2020年にはゴールデングラブ賞を2年連続4回目の受賞と、守備でも相当な成績を残しています。
今回は坂本選手の守備についてスポットライトを当ててみたいと思います。

2008年から4年連続でセリーグの遊撃手最多の失策数を記録

坂本選手は2006年に高校生ドラフトで堂上直倫選手の外れ1位で巨人に入団します。
入団2年目に開幕1軍入りします。
開幕戦はセカンドでしたが、当時ショートを守っていた二岡選手が開幕戦で怪我をすると以降は坂本選手がショートを守り、全試合ショートでスタメン出場を果たします。
ただし、守備はうまかったとはとても言えませんでした。
失策数をみると、2008年15個、2009年19個、2010年21個、2011年18個とセリーグ遊撃手の最多失策と不名誉な成績を残します。
当時は守備のうまくない打撃型のショートと見られていました。
二岡選手の怪我がなければポジションはセカンドのままだったかも知れません。

ただし、当時のチームメイト故・木村拓也選手は「勇人の守備範囲を見たことがあるのか。ほかの選手が触れないような打球まで追い付くからエラーが多いんだ」と語っています。
どういうことかと言うとRFという成績で見えてきます。
RFとは1試合でどれぐらいアウトに関わったかを示す成績で、
アウト寄与率 = (刺殺 + 補殺) ÷ 守備イニング数 × 9で求めます。


坂本選手のRF(Range Factor=1試合当たりの守備機会)を見ると

2008年 守備率.976(3) RF 4.31(リーグ2位)
2009年 守備率.973(4) RF 4.83(リーグ1位)
2010年 守備率.970(4) RF 4.72(リーグ2位)
2011年 守備率.975(4) RF 4.79(リーグ1位)

RFは4.5でトップレベルですので、失策数という成績だけではわからない守備範囲の広さが見えてきます。
捕球・早急に若干の難があったものの守備範囲が、ものすごく広かったことがわかってきます。


2014年から3年連続でセ・リーグ1位のUZRを記録

坂本勇人

坂本選手の転機となったのが、2012年のシーズン前にヤクルトの宮本選手との自主トレです。
坂本選手は、2012年にヤクルトの宮本慎也選手が主催する「宮本塾」に入塾し、捕球時の正しい右足の使い方やスローイングなど守備の基礎や学んでいきました。
これがきっかけとなり、失策数が2012年15個、2013年11個、2014年13個と減少していきます。
さらに、2014年に井端選手が巨人に加入してくることで、坂本選手の守備の成績が上がってきます。
2014年に井端弘和選手が中日から巨人に移籍してくると、早速合同自主トレを行い、スローイングの間の作り方などを助言されるなどのアドバイスを受け成長していきます。
これは坂本選手のUZRで見えてきます。

2014年 16.6(リーグ1位)
2015年 32.2(両リーグ1位)
2016年 15.1(リーグ1位)
2017年 10.6(リーグ1位)

UZRとは「同じリーグでの平均的な選手が守る場合に比べて、守備でどれだけの失点を防いだか」を表す指標です。グラウンドを多数のゾーンにわけてゴロ・フライ・ライナーなどの打球ごとのアウトを評価していきます。
つまりヒットになりそうな打球をアウトにするとUZRが高くなっていきます。

もともとの広い守備範囲に加え、堅実な捕球や正確なスローイングを身に着け、大きく飛脚し、攻守ともに球界を代表する遊撃手へと成長していってるのが読み取れるとも思います。

ちなみに、坂本選手はグラブを2014年に井端選手から譲り受けています。
親指と小指がカッチリしていてはめた瞬間に気に入り、2019年まで6年間も使用していました。
毎年グラブを変える選手もいる中で6年間使い続けるのは異例です。
坂本選手はグラブの硬さを保つために試合の攻撃中は冷凍庫に入れたままにするなど大事にしていました。

道具を大切にすることも成績につながっているということでしょう。

2018年以降は怪我の影響かやや守備低迷

坂本選手の2018年以降の守備成績ですが、怪我の影響もあり守備の成績が落ちてきているようです。
具体的には守備範囲の狭さが挙げられます。
RFを見てみると

2018年 守備率.982(リーグ3位) RF 4.70(リーグ3位)
2019年 守備率.979(リーグ3位) RF 3.92(リーグ5位)
2020年 守備率.991(リーグ1位) RF 4.13(リーグ2位)

全盛期は4.8あったRFが3.9まで成績が落ち込んできていて、守備範囲が狭くなってきていることを表しています。
もともと、下半身のコンディション不良などで2015年以降は全試合出場をしていませんでしたが、2018年に左脇腹を痛めて登録抹消されます。
年齢による衰えもありますが、このあたりの怪我が影響してきているのかもしれません。

坂本選手の2021年の6月までの成績をみると
2021年 守備率.986(リーグ1位) RF 3.63(リーグ4位)
やはり、RFは下がってきています。

ベテラン選手の特徴として、RFが下がり守備率が上がってくるので、坂本選手も例外でないのでしょう。

確かに坂本選手の守備は見ていて安定感がありますよね。

まとめ

坂本勇人

坂本選手は球界史上最高のショートといって差し支えないと思います。
補殺数において、球界史上最高の5419捕殺を記録しています。
2位は石井琢朗選手の5243捕殺です。

今後の坂本選手ですが、生涯ショート一筋という選手は殆どいません、宮本選手も後年はサードでした。
坂本選手も将来的には他のポジションにコンバートする可能性はあります。

サードかファーストか、どのポジションになったとしても坂本選手のプレーは野球ファンを魅了することでしょう。