冨安健洋

2018年ロシアW杯後、森保監督率いる新生日本代表の一員としてA代表に初招集された冨安健洋選手。

2018年10月12日のパナマとの親善試合で先発出場し、2012年の宮市亮選手以来の10代での日本代表デビュー、センターバックとしては初の10代プレーヤーとなりました。

冨安選手は福岡県出身、1998年11月5日生まれ。

小学生の時にサッカーを始め、中学生からJリーグのアビスパ福岡の下部組織に入団し、中学3年でトップチームの練習に飛び級で参加する才能に恵まれ、高校3年生の時にトップチームに昇格を果たしアビスパ福岡初の高校生Jリーガーとなりました。

これまで各世代別の日本代表にも着実に選ばれ、10代で海外移籍まで実現した冨安選手について調べてみました。

【近年評価が急上昇した冨安健洋】

冨安健洋

冨安健洋選手は17歳でプロデビューし、18歳でプロ初ゴールも決めています。

スピードある脚力は小学生の頃から健在で、成長して身長も190㎝近くで日本人離れした体格で守備的な選手として、プロ入り時点から大きな期待と注目を浴びてきました。

各世代別の日本代表にも選出され、中学生の頃から日の丸を背負ってプレーし、国際大会での経験も積んできました。

本人も以前より強い海外志向があり、2018年にベルギー1部ジュピラー・プロリーグのシント=トロイデンVVに移籍をしました。

ベルギーへの移籍に際し億単位の移籍金が発生したと言われており、当時J1やA代表で実績のなかった日本人選手に海外のクラブが億単位の移籍金をかけてまで獲得を目指し実現したのは異例のことでした。

海外移籍後、冨安選手は着実に成長を見せ、チームで出場機会をものにしてメキメキと評価を上げてきました。

ジュピラー・プロリーグの2018-19シーズンではアジアカップのため日本代表に召集されていた期間を除いた全試合で先発フル出場を果たし、サポーターによるシーズン優秀選手にも選出されるなど、1シーズン通してチームに大きく貢献する活躍を見せました。

シント=トロイデンVVや日本代表での活躍が欧州の多くのクラブから注目され、冨安選手の獲得を希望するクラブが複数名乗り出ました。

そして、2019年7月にイタリア1部セリエAの古豪のボローニャFCへの完全移籍が決まりました。

セリアAでは中田英寿さんや中村俊輔選手などこれまで10人の日本人選手がプレーし、冨安選手は11人目の日本人選手となり、センターバックとしては初めてになります。

東京五輪や2022年カタールW杯以降も日本代表の主力として活躍が期待される日本の若い新星ディフェンダーは日本のみならず世界中から評価され注目されています。

【日本人DFでは長友佑都(当時27)に次ぐ高額移籍】

近年評価が急上昇してきている冨安健洋選手は海外移籍2年目の2019年7月にイタリア・セリアAのボローニャFCへの移籍が決まりました。

この移籍に対してシント=トロイデンVVとボローニャFCの間で金額交渉が行われ、当初シント=トロイデンVVは冨安選手の移籍金の総額を900万ユーロ(約10億円)に設定をしていました。

ですが、交渉の末5年契約で移籍金は700万ユーロとボーナスで300万ユーロの総額1000万ユーロ(約12億円)の条件で両チームの間で決着したと言われています。

この移籍金額はシント=トロイデンVVのクラブ史上最高額であり、20歳の冨安選手への大きな期待も込められているのではないでしょうか。

冨安選手のボローニャFCへの移籍に際しての、移籍金額に日本メディアのみならず欧州の各メディアでも注目され話題となりました。

そして、同時に度々話題になったのが日本人ディフェンダーとして初めて欧州にビッククラブでプレーをした日本代表の長友佑都選手です。

長友選手は高校サッカーの強豪校の東福岡高校から明治大学に進学し、大学在学中にJリーグのFC東京とプロ契約を結びました。

2010年南アフリカW杯に左サイドバックで全試合フル出場し日本の16強入りに大きく貢献し、大会終了後にセリアAのACチェゼーナにレンタル移籍、翌年1月に移籍金2億円で完全移籍を果たします。

そしてその後、強豪のインテル・ミラノへのシーズン終了までのレンタル移籍が決まり、カップ戦優勝に貢献する活躍を見せ、シーズン終了後にインテルと5年契約で完全移籍をしました。

インテルでは副キャプテンを務めるなどチームの主力として210試合に出場し、2018年1月にトルコ1部スュペル・リグの強豪ガラタサライSKに期限付き移籍、シーズン終了後に移籍金250万ユーロ(約3億2500万円)で完全移籍しました。

日本人ディフェンダーとしては初めて欧州のビッククラブでプレーし、チャンピオンズリーグなどにも出場してきた長友選手ですが、これまで度々移籍の噂が飛び交ってきました。

様々あるビッククラブが長友選手に興味を示している噂の中で、スペインの強豪レアル・マドリードやイングランドのマンチェスター・ユナイテッドなども手を挙げていたという噂もありました。

レアル・マドリードは1400万ユーロ(約16億円)の移籍金を用意していたとも一部では言われていました。

実際にはこれらのクラブへの移籍はありませんでしたが、長友選手はインテルで8シーズン過ごしました。

そして、現在もトルコの強豪で欧州最高峰のチャンピオンズリーグにも出場にしているガラタサライSKでプレーを続けています。

冨安選手のボローニャFC移籍について長友選手もツイッターで「批判やバッシングも強烈なので、メンタル面も間違いなく強くなれる。頑張れ冨安!」と自身も経験してきた厳しさとともに日本サッカーの未来を背負う後輩に激励のメッセージを送っています。

長友選手がインテルで活躍を見せ評価を上げてきたように、冨安選手にもその驚愕の移籍金以上のプレーで選手としての価値を証明し、更なる高みを目指す活躍を見せてくれることを期待したいです。

【移籍後も評価は上々】

冨安健洋

2019年7月にセリアAのボローニャFCに加入後、背番号14番を背負い、開幕戦から先発フル出場をしました。

4-2-3-1の戦術を組むフォーメーションの中で主に右サイドバックを務めています。

セリアAデビュー戦から右サイドから積極的な攻撃参加も見せるなど、現地の記者からもチーム内で最高評価を得る活躍を見せ早速ボローニャFCファンの心を掴みました。

冨安選手はシント=トロイデンVVでは主にセンターバックとしてプレーしていましたが、ボローニャFCに移籍してからは右サイドバックとして起用されてきました。

また、チームの戦術で攻撃時は3バックの一角を担い、守備時はサイドバックとして相手のウィングと対峙する、ボローニャFCにおいて重要な役割を担う守備のキーマンとなっています。

元々はセンターバックの選手ですが、右サイドバックやボランチなどもこなせる戦術に合わせられる柔軟性があり、ボローニャFCの監督は冨安選手のその柔軟性をとても気に入って守備陣の中でも彼を重宝しています。

ボローニャFC加入1年目でチームの核となる活躍を見せている冨安選手に、セリアAの名門のASローマからオファーを受けている噂がイタリアメディアの間で浮上しています。

ASローマといえば、中田英寿さんがかつて所属しリーグ優勝も成し遂げたことのあるセリアAのビッククラブの一角です。

移籍金額も1350万ユーロ(約16億円)とも言われており、冨安選手の市場価値が更に上昇しています。

【まとめ】

これまで冨安健洋選手の移籍について調べてみて、冨安選手の今後の活躍が楽しみになりますね。

10代で海外挑戦、若干二十歳で日本代表の守備のキーマンとなった冨安選手ですが、彼の武器はプレースタイルにあるのではないかと思います。

冨安選手の最大の特徴は「対人守備の強さ」と「ビルドアップ能力」です。

体格を活かした守備で人に当たり負けしない、マークについて相手選手に簡単に仕事をさせない強さがあります。

また、ディフェンスの選手でありながら前線の選手にボールを通す縦パスを積極的に狙い、また自身でもドリブルでボールを前に運ぶ積極的な攻撃参加もでき、攻撃の起点になることができます。

守備から攻撃の起点になれることでチームの攻撃にもバリエーションが増えます。

まだ21歳の冨安選手には今後も大きなクラブでプレーするチャンスはいくらでもあります。

日本代表としても東京五輪や2022年W杯など数多くの国際大会でも経験を積む機会が多くあります。

今後も冨安選手が成長して世界クラスのディフェンダーに成長することを期待しながら、更なる活躍に注目していきたいです。