
2020年に予定されていたWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥とWBO同級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)の対戦が、コロナウイルス感染拡大により中止となりました。
コロナ禍の中で混沌としていた、対戦ですが2021年8月14日に行われたWBO世界バンタム級タイトルマッチで、カシメロがリゴンドーに判定勝ちし対戦の可能性が出てきました。
現WBC世界同級王者のノニト・ドネア(フィリピン)の存在もあり、3強による潰し合いがどういう決着を迎えるかが見どころになってます。
カシメロvsリゴンドーの決着を受け4団体王座統一戦の交渉が再開
世界バンタム級のチャンピオンはWBA井上尚弥、WBCノニト・ドネア、IBF井上尚弥、WBOジョンリル・カシメロの3人が4団体の王者になっています。
そしてこのベルトを独り占めしようと戦っているのです。
カシメロがリゴンドーに判定勝ちした試合ですが、実はこのカード、カシメロVSはドネア戦で組まれていました、このカードは2団体統一戦となり、4団体統一への道のりだったのです。
しかしカシメロがドーピング検査拒否を示唆したことでドネアが試合をキャンセル。
結局、カシメロはリゴンドーと対戦することになりました。
しかし、このカードでカシメロが判定でリゴンドーを下すと状況が一転し、カシメロ、ドネア、井上尚弥の3すくみになったのです。
これは4団体統一戦へ近づいたということです。
順調にいくなら、ドネアVSカシメロ戦が年内に組まれ来春に組まれ、その勝者が井上尚弥と戦うことになるでしょう。
しかし、ドネアVSカシメロ戦はドーピング絡みで試合をキャンセルしているのでリマッチは難しいという意見もあります。
コロナ禍の中という難しい状況もありますが、近い将来にこのベルト争いの決着は付くことになりそうです。
王座は2021年8月31日現在です。
カシメロのマイクパフォーマンスで注目の集まる統一戦
カシメロといえばヒールに徹したマイクパフォーマンス/トラッシュトークが有名です。
2020年4月にラスベガスでの井上戦が決まった時には、知名度があまりなかったはずですが。井上戦での記者会見において
「イノウエなんかは恐れるに足りない。この階級にいるヤツ全員がそうだ。俺は誰とでも戦える。なぜなら俺が118ポンドで最強であると考えているからだ。イノウエに対してのゲームプランは、まだ練っている段階だ。テテに対しては準備を周到にした。だけど、そのプランはテテに対してだけの話だ」
そして会見の最後に、
「イノウエはモンスターと言われているが、俺はリアル・モンスターだ。また会おう」
と強気の発言をしています。この発言で一気にカシメロに注目が集まりました。
この頃からカシメロは台風の目になり、強気の発言トラッシュトークを繰り返します。
リゴンドーとの戦いの後も、絶口調で
「あいつはドネアと同じで俺を恐がっている。あいつが契約を結べるものならやろう。なんで逃げてるのかは分からないけど、いつだって戦ってやる。イノウエとドネア。要するに全員ビビってるんだよ」
「俺はいま、この階級で最強なんだ。これは誇り高きことだし、紛れもない真実だ。なぜあいつらが俺と戦わないのかわからないけど、俺は絶対にあいつらを叩きのめすよ。ドネアとイノウエだ」
と、トラッシュトークが止まりません。
井上尚弥も
「なぜ良い子ちゃんでいなきゃいけない?皆の井上尚弥のイメージは聖人君子かな?」
「ここまで煽られ過激な挑発され生放送で中指立てられなぜ黙っとかなきゃいけないのか?」
「売られた喧嘩は買うだけ。試合組んでください」
と、ツイッターで切り替えしてます。
おかげで、カシメロと井上尚弥の対戦が、俄然注目を集め盛り上がっててきています。
井上は次戦をドネアかカシメロで調整、カシメロは次戦にドネアを逆指名?
井上尚弥は次戦について、WBAスーパー&IBF世界バンタム級タイトルマッチでダスマリナス(フィリピン)に3回2分45秒TKO勝ちした、試合後にツイッターを更新しています。
内容は「ドネアvsカシメロの勝者と4団体統一戦を希望希望希望!!!」と統一戦を熱望しています。
一方のカシメロはリゴンドーとの試合後のインタビューで「「3人を倒す計画だ。1人目のリゴンドーはすでに倒した。2人目はドネア、その次がナオヤ・イノウエだ」と中指を立てて挑発しています。これに対して井上もこれに対して「リスペクトのない奴は叩きのめす」と返しています。
カシメロVSドネア戦はカシメロがドーピング検査拒否を示唆したことなどを引き金にドネアが試合をキャンセルしているので、カシメロVSドネア戦が簡単に行われることないと思います。
そして、2021年8月29日に自身のYouTubeでカシメロが“JOHN RIEL CASIMERO VS NAOYA ENOUE (December 11) Na”とタイトルをつけて映像をアップロードしています。
「次の試合は12月11日のナオヤ・イノウエ戦だ」「ナオヤ・イノウエ、レッツゴー」と笑顔を浮かべながら語っています。
両コミッショナーから発言はないので、これは額面通りに受け取れませんが、なかなかのトラッシュトークですね。
カシメロの言動は4団体統一の最終戦(井上戦)を盛り上げるための巧妙なプロデュースか
先程も書きましたが、カシメロは前回の井上戦が決まったあたりからトラッシュトークを繰り返しています。
これにより、二人の対決が今では因縁対決として注目されています。
狙い通り、カシメロは脇役という立ち位置から主役級のクラスに登って来ています。
自身のプロデュースが成功しているとうことでしょう。
これによりファイトマネーが釣り上がり、もし、井上VSカシメロ戦が実現した場合、かなりの高報酬を得ることができるのではないでしょうか。
井上、ドネアという2人の正統派スターに加え、カシメロというヒールが台風の目となり、バトルは過熱する一方です。波乱のバンタム級戦線は、軽量級史上に残る戦いの果てに戦慄のクライマックスを迎えようとしています。