
日本サッカー界では元日本代表の酒井高徳選手が新型コロナウィルスに感染し、話題となりましたがサッカー協会のトップ、田島幸三会長もまた感染していたそうです。
現在は退院を果たしていますが、その経験から感じた恐怖を赤裸々に綴っています。
【コロナウイルス感染後、自らの感染と行動経路を公表】
日本サッカー協会は3月19から「田島会長便り」を配信しています。
そこには感染した田島会長の心境が赤裸々に綴られていて、感染するに至った経緯などが記載されているそうです。
陽性反応が出た直後に田島会長は「ご心配とご迷惑をおかけしていること、申し訳ありません」と謝罪しています。
その投稿には自身の現在の症状も綴られていて、微熱があるなどの情報も記載されました。
さらに、田島会長は自身の行動経路を示し、自分と接触した方々に注意を促しています。
三月の頭にはオランダのアムステルダム2023年の女子ワールドカップ承知プレゼンテーションを行なっていました。
そして、次に訪問したのはアメリカのなでしこジャパンの試合でした。
田島会長は感染が発覚するまで世界中を飛び回っていたことになります。
訪れる場所はヨーロッパやアメリカなど現在感染者数が爆発的に増えている地域でした。
【病室で考えた死の恐怖】
コロナウィルスに感染し、18日間入院生活を送ることになった田島会長は「死の恐怖」さえ覚えたと言います。
PCR検査で陽性が出ると、すぐさま感染症の指定病院に入院し、そこで3週間生活することを強いられます。
同じウィルスで志村けんさんが亡くなった話を聞き、「ものすごいショック」と述べています。
そして志村けんさんが家族と最後の時間を共にできなかったことについても言及していました。
そして田島さん自身は家族と電話で入院中は繋がっていたようです。
この志村けんさんのニュースが一層自分の置かれている状況を理解する要因になったようでした。
入院中に様々な手を施してくれる医療従事者に感謝の意を述べましたが、最後は自身の免疫力で治すことになると聞いたときは驚いたそうです。
亡くなってしまった場合はすぐに火葬されることに、「こんなにも早く命を奪うものなのか」と投げかけています。
様々な報道がされる中、自身の免疫力を高めてウィルスと戦ったそうです。
【「命さえあれば」「亡くなったら何もできない」】
18日間の入院生活は田島会長にとって忘れられない経験になりました。
そしてその経験を通して何よりも人命を優先する必要性があると述べています。
微熱が続き、肺炎の症状も出ていた田島会長は身をもって命の大切さに気付かされたそうです。
医療現場での物資不足が目立ち始めたことにも言及しています。
そして医療関係者に対する差別も生じつつある状況だと述べました。
医療崩壊の危険性を恐れ、「彼らが感染しない、疲弊しない状況をつくらないといけない」とコメントを残しています。
肺炎になったことのない田島会長にとってこの経験は死を直視する機会になり、改めて命の大切さに気付かされました。
改めて経済活動やサッカーなどのスポーツは命があってこそできると強調します。
そしてその為には自粛を国民が徹底することが大事と述べました。
医療崩壊を招かないためにも不要不急の外出は控えることを口にしています。
【海外でサッカー再開の動きが加速する中、日本は慎重な姿勢】
日本は開催の目処が立っていませんが、世界各国に目を向けるとスポーツ再開の動きが見られるのも事実です。
初期対応に優れた医療体制で感染拡大を防ぐことに成功した韓国はすでにK・リーグが始まっています。
これらの試合では控え選手や監督らがマスクをし、選手入場は1チームずつ行われたそうです。
他にもドイツのブンデスリーガは試合前に全選手の検査をすることで開催に踏み切っています。
その対応に対し日本のJリーグは慎重な対応を見せています。
日本プロ野球協会とサッカー協会は共に試合開催のめどについて会議を開くなど、着々と動き始めてはいますが、未だに再開は決定されていません。
「亡くなったら何もできない。これを忘れてはいけない」と田島会長が語ったように、人命を優先する姿勢を日本サッカー協会はとっています。
元日本代表選手の酒井高徳選手の感染も判明し、これから試合を再開をするにあたって多くの準備が必要になると思われます。